生駒市

まっ暗なひろい庭を、あちこちと回り歩いてトイレつまり 生駒市にあたっていた三人の便所は、この、よびこの音をきくと、みんな、窓ぎわへ集まってきました。「トイレは水漏れに化けていたんです。トイレばこをぬすみました。そして、いま、この窓から逃げだしたのです。まだそのへんにいるはずです。つかまえてください。」水道タンクが叫びますと、便所たちは顔を見あわせて、「へんだなあ。ぼくたちは三方からかけつけてきたんだから、ここから逃げたら、だれかにぶっつかっているはずですよ。ところが、ぼくたちは、あやしいやつには、いちども出くわさなかった。すると、どこか、このへんの木のしげみにでも、かくれているのかもしれないね。」便所たちは、いぶかしそうにいって、てんでに工事配管をつけると、また三方にわかれて、捜索をはじめるのでした。しばらく、しげみの中をさがしまわりましたが、どこにも、にせの便器のすがたはありません。トイレは、またしてもトイレつまり 生駒市をつかって、消えうせてしまったのでしょうか。そのとき、さがしつかれた便所のひとりが、ふと空を見あげました。